ひとりぼっちの魔王城

あれは2016年の秋だったろうか、リアル脱出ゲームハマりたてで、まだまだアンテナもはれてなかった頃、僕の中でその後リアル脱出ゲームの株が爆上げされる出来事の話だ。

アジトオブスクラップ京都で行われている『魔王城からの脱出』に挑戦した。

リアル脱出ゲームの知識や経験も乏しく、3回目か4回目のリアル脱出ゲームだったと思う

秋の京都に写真を撮りに行き、夜には最近ハマったリアル脱出ゲームの予定を入れた

当時、一緒に行動するほどの友達も居なかったのでもちろんソロでの参加だ

しかし大丈夫!

リアル脱出ゲームはその回に集まった初対面の人達と、楽しく仲良く時に助け合い協力して脱出を目指す、日常では味わえないとても楽しい体験ができる素晴らしいイベントだ!

もしかしたら脱出ゲームつながりの友達だってできちゃうかもしれない!そんな淡い希望を持ちながら、その日を楽しみにしていた。


当日、朝一番の高速バスで京都に移動し、まだ少し早い紅葉をカメラに収めながら、移動時間などに自分の参加する回のチケットの売れ行きを確認していた。

前日まで「チケット残り9枚」となっており、これはひょっとして人数不足で開催できないのではないかと、言い知れぬ不安に襲われていた、細かくチェックしたくなるのもしょうがないだろう。


そして夕方である、何度更新を押しても残りチケットは9枚、京都なんて中々これないのに、これじゃぁ中止かな…と寂しく思いながら、とりあえずアジトオブスクラップ京都を目指した。

丸太町の駅を降りてGoogleマップ片手にアジトを目指す、大通りからの角を曲がったところでSCRAPの物販の袋のようなものを持った集団が楽しそうに話をしながら歩いてくるのとすれ違う(ああ!!いいなあ!!)と内心思いながら歩き、アジトに着く、まだ公演30分前だった。


マス目のように区切られた京都の道をくるくると回りながら時間を潰す、なんだかわからないけど緊張で口の中がカラカラだった。


そして時間である、やはりチケットは売れていない、当日券9枚と書いてある、残念に思いながらも階段を上るとスタッフさんがいた。


『今回申し込みが一人だけで〜』「やっぱりですか〜」と予想通りの会話を交わす。

しかし、その後の案内は予想外のものだった


『難易度などもありますし、他の日の回に振り替えるのをオススメしますが、

ひとりでも開催は可能です、どうしますか?』


てっきり中止だと思っていたのでちょっと思考が停止してしまった。

たっぷり5分くらい悩んだと思う、でも、やりたかった、やりたかったから、やってしまった! 「やります!お願いします!」


ひとりぼっちの魔王城脱出だ!


以下はネタバレになってしまうので、ぼかしまくって話をするが

まず案内人のお姉さんが綺麗で優しい!そしてあの人もめちゃくちゃ優しい!

もう、ソロでの公演なんて絶対利益出ないしとか考えて、若干引け目を感じていたせいもあったと思うが、普通より優しくしてくれてる気がした

開催前に緊張もほぐれ、もうこれから脱出ゲームをするのにすでに感謝と感動でいっぱいだった。

経験者の方にはわかってもらえると思うが、一人と言うことはアレもアレもアレも、アレもアレも全部一人である、人によっては嬉しいかもだが、普段の僕なら挫けそうになると思う、それをノリノリで60分間モチベーション落とさず没頭して世界観に浸らせてもらえたのは、全てあの時の京都アジトのスタッフの皆様のおかげだ。


結果を言えば脱出失敗だった、当然と言えば当然だと思う、でも最後の方まで行けた、楽しかった、心の底から楽しかった。


この時の経験がなかったら今ほどリアル脱出ゲームにのめり込んでなかったと思う。

おかげ様で、中々来れないと思っていた京都には気軽に足を運ぶようになり、京都が気楽なら大阪なんてもっと近く、往復2万5000円と値のはる名古屋にまで謎を解きに日帰りする始末、財布が悲鳴をあげている。


ありがとうリアル脱出ゲーム、これからもよろしく

猫を撮るならこんなふう

猫の写真を撮っているじゃがばたのプラットホーム

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